介護をしていると、さまざまな問題が発生します。とくに困るのが「食事を食べない」というトラブルです。

介護が必要な母は、昔に比べて食事の量が減ってしまいました。いつも美味しそうに食べていたのに、ある日は一口で食事を終了。栄養面が心配です。
毎日美味しそうに食事をしていた姿とは一変、作ったメニューのほとんどを残してしまう姿を見ると、この先の健康面が不安です。
なぜ食事を食べないようになったのか、介護しながら理由と解決策を模索した結果をまとめました。
高齢者が食事を食べない原因は?

高齢者が食事を食べない原因は?
日本の高齢者は、一般的に65歳を超えた人をいいます。高齢者の多くの人は「体の衰え」を感じているのですが、私の両親も例外ではありません。
目に見えた健康面の中で、衰えをよく感じるのが「食事」です。
例えば、次のような衰えが目立ちます。
・1回の食事量が半分くらいになった
・脂っこい食事を避ける など
一緒に食事をしていても、明らかに以前と違う風景に「両親も年を取ったな~」と感じることが増えました。

とくに介護中の母の食事は、以前と比べ物にならないくらい変わりました。
高齢者が食事を食べない、調べてみると原因は次のことが関係していることがわかりました。
・消化吸収力の衰え
・空腹感を感じにくい(肺活量低下で食欲不振)
・口腔トラブル(入れ歯のズレや虫歯など)
・疾患による食欲低下
・食事メニューがまずい(苦手)
毎日の食事が楽しみな私も、さすがに体調不良などで食欲がわかない日もあります。
高齢者になると、内臓機能や食事環境によって食べたくないと感じる日が多くなるみたいですね。
もしかしたら認知症の疑いも
高齢者が食事を食べない原因は、健康力の低下や食事環境だけではありません。もしかすると「認知症」が関係しているケースもあります。
認知症による食事を食べない原因は、次のような理由が関係しています。
・食べ方がわからない
・不安で落ち着いて食べれない など
認知症の症状といえば「物忘れが激しくなる」ことです。食事に対する物忘れも多く、まだ食事前なのに「さっき食べた」と話したり、できたての味噌汁を「腐っているから飲めない」と勘違いしたりと、人によってさまざまです。
認知症は高齢者になると発症するものとイメージしがちですが、40代後半や50代など若い人も発症するリスクがあります。
入院の食事も食べないことが多かった母

入院の食事も食べないことが多かった母
私の母は自宅での食事以外に、病院へ入院した時も食事をあまり食べませんでした。

さまざまな疾患で1年で3つの総合病院に長期間、入院しました。
母が入院中の食事を食べないのは、次の理由です。
・味がまずい
・野菜ばかりで食欲がわかない
・白米のお供になるおかずがない
若干わがまま気質な理由ですが、病院によって食事の味付けや量が違うのは、実際に私も経験しています。なので、母の意見がわからなくもありません。
ですが、母の入院は手術と治療のためだったので、食事制限がいくつかありました。
回復するためには1日3食、管理栄養士が考えた栄養バランスに優れた食事をとる必要があったのです。

入院当時はまだ高齢者に分類されない年齢でした。あまりにも病院食がまずいというため、缶詰や惣菜の差し入れをよくお願いしてきます。
高齢者が食事を食べない時の解決策

高齢者が食事を食べない時の解決策
母の介護をするようになって同じ状況の人と話す機会が増えました。その中で、よく話題に上がるのが「食事を食べてくれない」という悩みです。
家庭によって食事に関する悩みはさまざま。そして解決策もみんな違いました。
そこで、高齢者が食事を食べない時の対策や解決策についてまとめてみました。
食事は食べやすさを重視
作った料理を残すようになった母、その理由が「噛めない(噛みにくい)、飲み込みにくい」とのことです。例えば、料理ならきんぴらごぼう、お菓子ならせんべいなど、噛みごたえのある食事を避けるようになりました。

高齢者は噛む力が弱くなると聞きますが、介護をしていて実感。
食べやすさを重視して、ごぼうを料理酒で柔らかく煮てみたり食べやすいように小さく切ってみたりしたところ、以前よりも残さないようになりました。
高齢になるにつれて、噛む力や飲み込む力が弱まっているため、最終的にムース食へ!
作るのが大変だったので、レトルトに頼ることもしばしばありました。
楽しい食事時間にする

楽しい食事時間にする
食欲がわかない理由は、体調不良やストレスの他、「一緒に食べる相手が居なくて寂しい」というのもあります。

私の母は寂しさからくる食欲不振でした。
たとえ話をしなくても「一緒に食べている」や「相手が美味しそうに食べる姿を見ると食欲が増す」など、誰かと一緒に食事をすることで『食べる=義務化』という感情が低下するんだと感じました。
自分に置き換えてみるとわかりますが、1人で食べるよりも誰かと一緒に食べた方が楽しくありませんか?
介護をしていると自分の食事は後回しにして、食べている間に家事などを片付けようという気持ちが高まりますが、一緒にご飯を食べてあげるだけでも食欲がわかないデメリットを改善できます。
たまには贅沢で美味しい食事
介護食を考える時、真っ先に思うのが栄養面です。

栄養価の高い食材、介護食に相応しい味付けや調理方法をよく考えてました。
栄養面を中心に考えたメニューは間違っていませんが、あまりにもこだわりすぎて「美味しさ」が欠けている可能性があります。
食事の量が減って栄養面は気になりますが、たまには好きな食材や料理を作ってあげて、美味しい食事を食べさせるのも大切です。
無理強いをさせない

無理強いをさせない
食事を食べない姿に、こんな言葉を言っていませんか?
少しでも食べて!
残したらダメだよ!
健康になれないよ!
\
食べて健康になって欲しくて言った言葉でも、言われる本人にとっては苦痛です。
私の母が言っていました。

「食べて」と言われてもそんなに食べれない。
どうやら、良かれと思ってた言葉は食事中にストレスになっていたみたいです。
無理に食べさせることで食事の時間が億劫になり、次第に食事の時間が来ても拒否されるようになります。
我が家ではこんなやり取りがありました。

お昼の時間だけどそろそろご飯食べる?

いいや、食べたくない。

今食べないと、ご飯のの時間がズレて栄養が偏るよ。
無理やり食べさせた結果、嘔吐してしまいました。
まったく食べないのは栄養不足が心配なので、食事の量を減らしたり無理強いをするような言葉掛けを避けたりと工夫が必要です。
栄養補給できる食事に切り替える
食事の時間に苦痛を感じたり食べる量が減ってきたりと、食事に関する悩みが増えた時は、栄養補給できる食事に切り替えるのもポイントです。
実際に介護中、食事拒否や1回の食べる量が減るなど、さまざまな悩みがありました。
そんな時は、無理に食べさせるのではなく、母が好きなものをメインに用意しました。
・フルーツヨーグルト
・飲むヨーグルト
・カロリーメイトゼリー など
栄養補給できる食べ物や飲み物を積極的に用意したことで、少しでも食べてくれた時のこちらの気持ちが変わりました。
「もっと食べて」や「こっちも食べて」という思いがなくなり、介護する人とされる側のどちらもストレスがありません。