よく「フリーライターは食えないから副業止まりにした方が良い!」というお話を聞きます。
あながち間違いではありませんが、正解でもありません。
※だって私はフリーライターとして約15年間生活できているので!
山あり谷ありの人生ですが、実体験を踏まえて「なぜフリーライターは食えないのか」「稼げるフリーライターとの違い」など詳しくお伝えします。
フリーライターが「食えない」といわれる理由
フリーライターが食えないといわれる理由は、さまざまな原因が重なっていることが多いです。
低単価の仕事が多い
フリーライターの仕事には低単価の案件が多く、特に初心者は経験や実績が不足しているため、報酬が低い仕事を選ばざるを得ません。
現にクラウドソーシングサイトでは1文字0.1円~0.3円の仕事があり、低単価の仕事は「初心者・未経験者歓迎」という募集をよくみかけます。
1文字0.1円の案件を請け負うと1000文字書いて100円、2000文字書いて200円です。
リサーチや構成案などを考えると、1000文字書くのに30分~1時間かかります。初心者なら2~3時間かかることもあるでしょう。
そんな仕事、正直やってられません!
低単価の仕事は1日中作業しても、十分な収入を得るのが難しい場合があります。これが「食えない」と言われる最大の原因です。
競争の激しさ
ライター業界は参入障壁が低いため、競争が非常に激しい職種です。
とくに最近は参入者が多く、「文章を書く」スキルだけでは差別化が難しく、専門性や独自性のあるスキルを持たないと高単価の案件を獲得できません。
また、クライアントによっては複数のライターに相見積もりを求めることもあります。
見積もりを見て、こちらが希望する単価の引き下げ交渉がおこなわれ、仕事が欲しいという理由からNOと言えない状況が多々あります。
単価交渉の競争に巻き込まれてしまい、必然的に収入減少→フリーライターは食えないという状況を作っている可能性が高いです。
収入の不安定さ
フリーライターは正社員と異なり、毎月の収入が一定ではありません。
案件が途切れたり、クライアントとの契約が突然終了したりすることはよくあること。さらに、季節や経済状況によって需要が変動するため、収入が安定しにくいという構造的な問題もあります。
どんなに「長期契約を求む」というクライアントでも、Googleのアップデートや企業の経営問題など環境の変化によっては短期間しか仕事をいただけないケースもあります。
突然の契約打ち切りは1ヶ月の報酬計画がバラバラと崩れ落ちてしまうので、ある日突然食えないというフリーライターも多いのです。
支払いサイクルの長さ
案件を納品しても、クライアントからの支払いが遅れることがあります。
私が今まで契約してきたクライアントさんは、月末締め翌月払いでした。たくさんのクライアントさんを見てきましたが、一般的な支払いサイクルです。
中には月末締めの2ヶ月後の末払いというケースもありました。
フリーライターになってしばらくするとわかるのですが、収入が手元に入るまでの時間が長く、生活費を賄うのが難しいと感じる人も少なくありません。
クライアントさんとの契約が終了しても、すぐにすぐ新しい仕事を見つけられるといいのですが、間があくと収入が途絶えるので貯蓄がないと食えないという状況が出てきます。
労働時間の長さ
フリーライターは仕事を確保するために多くの時間を割く必要があります。
執筆だけでなく、案件探し、提案書の作成、クライアントとのやり取り、リサーチなども含まれるため、1日の作業時間が長くなりがちです。
それにも関わらず、低単価の案件ばかりでは時間に対する収入が見合わず、「労働量の割に稼げない」「この報酬額では食えない」と感じることがあります。
スキルや専門性の不足
フリーライターとして高収入を得るには、SEOやマーケティングの知識、特定分野に特化した専門性などが必要です。
しかし、こうしたスキルが不足していると、高単価の案件に応募するのが難しくなり、結果として低収入に留まる可能性があります。
また、自分の得意分野を明確にしないまま仕事を広く受けすぎると、品質が低下し、信頼を失うリスクもあります。
一度だけ経験があります。単価の高い仕事だけ応募したところ、複数社と契約が決定!
いざ仕事をしてみるとクオリティーの高い執筆を求めているので、1記事仕上げるのに予定の2倍以上時間がかかりキャパオーバーして継続不能になりました。
フリーライターとして稼ぐには、一定のスキルと専門知識は大切です。
自己管理の難しさ
フリーライターとして生きていくには、すべて自己責任です。自分でスケジュールを管理し、仕事を進める必要があります。
しかし、自己管理が苦手な場合、納期に間に合わない、効率よく作業できないなどの問題が生じ、収入を安定させることが難しくなります。
また、モチベーションを維持するのも簡単ではありません!
すべてのバランスが整っていないとミスや修正などが起こり、報酬面にも大きな影響を与えます。次第に報酬が低下していき、食えないという状況を作ってしまうのです。
仕事に対する評価の低さ
文章を書くことは多くの人にとって身近な作業であるため、ライターのスキルが軽視されることがあります。
「誰でもできる仕事」と見られることで、報酬が低く抑えられる場合があり、これがフリーライターの収入をさらに不安定にしています。
フリーライターとして食べていくには、単価交渉はとても重要なポイントです。
ライターが価格交渉を避けてしまうことで、クライアントにとって「安いが当然」という認識が根付き、結果的に低単価案件が増えることになります。
単価を引き上げるには、自身のスキルや実績を明確にして、高付加価値なサービスを提案する必要があります。
フリーWebライターは食えない!今からできる対策方法
長いことフリーランスのWebライターとして活動していると「このままではダメだ!」と思うことがあります。
たとえば、SNSでライター歴1年目の人が1文字あたり5円の案件をゲットした話。ライター歴3年目でWebディレクターやWebマーケティングなど仕事幅を増やしている話。
こういった話を見ると「自分も…」活力が湧いてきます。が、具体的にどんな行動をすればいいのかわかりません。
そこで同じような悩みを抱える人のために、フリーライターは食えないという悩みから脱却するための対策方法を書き起こしました。
専門性を磨く
フリーライターが安定して稼ぐためには、特定の分野に特化して専門性を高めることが重要です。
例えば、「医療記事に強いライター」「SEOに特化したライター」といった明確な強みがあれば、クライアントからの信頼が得られやすく、高単価案件にもつながります。
また専門性を高めるためには、業界の最新情報を常にリサーチ&学んでいき、関連資格を取得することも有効!
専門性が高いほど競争相手が減り「この分野ならこの人」というポジションを築けるため、継続的な収入が見込めます。
営業活動を強化する
フリーライターにとって営業は欠かせません!最近つくづく営業をかけるという行動の大切さを感じています。
新規案件を得るには、ポートフォリオや過去の実績を定期的に更新し、自分を効果的にアピールする必要があります。クラウドソーシングサイトやSNS、業界のイベントに積極的に参加し、直接クライアントと接点を持つことが大切です。
また、提案する際は「相手の課題を解決する具体的な方法」を提示すると、受注率が上がります。
営業活動をルーティン化することで、常に新しい案件の流れを作り出せます。
単価を見直す
安定して稼ぐためには、自分の仕事に見合った適正な単価を設定することが必要です。
低単価案件ばかり受けていると、労力に見合った収入が得られず、長期的に消耗します。自分の経験やスキルに応じて単価を引き上げ、適切な価格交渉を行いましょう。
また、高付加価値のサービスを提供することで、クライアントに「この価格でも依頼したい」と思わせることが重要です。
たとえば、レスポンスを早くする、画像選定やWordPress入稿までおこなうなど。
これにより、少ない案件数でも十分な収益が得られるようになります。
新しいスキルを学ぶ
ライティングの需要は進化しており、SEO、SNS運用、動画スクリプト作成、AIツールの活用などのスキルが求められています。新しいツールについて学ぶことで案件の幅が広がり、報酬アップにもつながります。
例えば、SEOに基づいた記事は検索結果での上位表示を目指すため、単価が高い傾向にあります。また、AIツールを活用して効率を上げれば、短時間で高品質なコンテンツを提供できます。
スキルアップってどこかめんどくさくて後回しにしがちですが、フリーライターとして食っていきたいなら自己投資として積極的に取り組むべきです。
クライアントとの関係を深める
一度取引したクライアントとの関係を維持・発展させることは、安定収入の基盤になります。納品後のフォローや追加提案を行い、長期的な信頼関係を築きましょう。
クライアントがライターに求めるのは「信頼できるパートナー」であることが多く、丁寧な対応や成果物の品質の高さが評価されると、リピート依頼や紹介が期待できます。
リピーターが増えることで、新規案件を探す時間を削減でき、収入の安定化が図れます。
フリーランスのWebライターで生活するために必要なこと
Webライターをフリーランスで始めた場合、生活ができるかどうかは、個人のスキルや戦略によります。
初心者のうちは収入が安定せず苦労することが多いですが、適切な行動を取れば、安定した生活を実現することが可能です。
フリーライターだけで生活できるようになるためのステップを、具体的に説明します。
最低限の生活費を把握する
自分が最低限、どれくらいの費用で生活できるか知ることって大切!
フリーランスになる前に、自分の月々の生活費を明確にしましょう。手書きでもパソコンのテキストでもいいので、とにかく洗い出します。
家賃、食費、通信費など、必要な金額を計算し、その上で収入目標を設定します。
例えば、月20万円が必要なら、週5日働く場合、1日あたり1万円稼ぐ必要があります。
この目標を達成するためにどれだけの案件をこなす必要があるかを逆算。こうすることで、フリーライターは食えないという悩みから脱却できます。
スキルを磨く
生活を安定させるためには、競争力のあるスキルが重要です。
たとえば、次のスキル磨きがおすすめ!
スキル | スキル磨きするメリット |
SEOライティング | 検索エンジンで上位表示される文章を書くスキル |
リサーチ力 | 読者にとって有益で信頼性の高い情報を収集する能力 |
専門知識 | 法律、金融、医療など特定分野に特化すると高単価案件を得やすい |
編集能力 | 他のライターが書いた文章を分かりやすくリライトできるスキル |
どうやってスキル磨きをするのか。人によって違うのですが、私はネット情報やライティングに関する本を参考にしています。
最近は図書館でも文章力を高めるための本が置いてあるので、時間が空いているときや思うように書けないときは気分転換に図書館に行っています。
クラウドソーシングで実績を積む
初心者の場合、実績がないと企業と直接契約を結べないことってたくさんあります。私も何社も応募して、やっと面接まで話が進んだのは1件だけという日々でした。
実績を積むには、クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサイトがおすすめです。
はじめは低単価の案件から始めることが多いですが、実績を増やしていくうちにクライアントからの評価が高まり、高単価案件を受注できるようになりますよ。
収入を分散させる
1つのクライアントや分野に依存すると、収入が不安定になりやすいです。
私はひとつのクライアントに頼ったせいで、精神的に参ってしまった経験が何度かあります。
3つのクライアントと契約していて、仕事の割合は「A社(80%):B社(10%):C社(10%)」でした。A社が業績不振で突然仕事が10分の1まで激減!
おかげで全体の収入がガタンと下がってしまい、生活できずに落ち込んでしまいました。
あの日から複数のクライアントや分野で仕事を受けることでリスクを分散。複数社と契約すると、クライアントによって仕様や条件が違うので困る部分もありますが、管理能力が高まるので自分のスキルアップにもつがなります。
フリーライターはクライアントから仕事を請け負うだけではなく、自分でブログや電子書籍の販売などのコンテンツを活用して、収益を得る仕組みを作るのも効果的です。
税金や保険を計画的に管理する
フリーランスは税金や社会保険を自分で管理する必要があります。
会社勤めと違って、税金や社会保険などの数字がモロに見えてくるので、フリーライターとして活動するなら徹底した管理体制が必要です。
あとからまとめてやってくる税金、支払えないなんて言ってられません!
収入の20%程度を税金・保険料として見積もり、計画的に貯蓄しておきましょう。確定申告を効率的に行うため、会計ソフトを活用することをおすすめします。
まとめ
フリーランスのWebライターとして生活するのは簡単ではありませんが、計画的なスキルアップと営業努力を続ければ、十分に生活ができるレベルに達することが可能です。
フリーライターは食えないなんて聞きますが、スキルアップや管理体制など環境を整えると、十分に暮らしていけます。自身の体験でいうと、怠けると仕事にも影響します。
初期段階では苦労することも多いですが、継続的な努力が成功の鍵となりますよ。