妊娠から出産までトラブルなく順調に過ごせるのは、ほんの一部の妊婦さんだけ。ほとんどのママは「お腹の張りや痛み、出血」などのトラブルを実感しています。
切迫早産は自宅安静と入院のどちらかで治療が行なわれますが、一度、診断されてしまうと出産までかなりシビアな生活を送らなくてはいけません。
切迫早産の目標は、妊娠37週を超えるまで!
その前に生まれてしまったら、どんなトラブルがおこってしまうのかなど紹介します。
切迫早産は産まれる体重で呼び方が違う
・1000g未満:超低出生体重児
・1500g未満:極低出生体重児
・2500g未満:低出生体重児
お腹の中に居る期間が短ければ短いほど、体重も少なく機能も未発達のまま生まれてしまいます。
切迫早産で生まれてしまうとリスクも高くなり、ママと一緒に退院はむずかしい状況です。
NICUで入院し、退院は赤ちゃんが十分に育って自発呼吸やミルクなどが飲めるようになってからがほとんどです。
切迫早産の週数別で見る目標は?
■22週目(450g)
聴覚や内臓機能が発育し、骨や筋肉もしっかりしてきます。妊娠23週目あたりから、性別がわかるようになります。この時期に出産してしまっても、ギリギリ保育器で過ごすことができる時期ではありますが、体重もまだ約450gととても小さくかなりギリギリのラインです。
■妊娠28週目(1000g)
心臓や杯などの内臓器官が発育し、羊水を飲むなどしながら肺呼吸の練習をします。聴覚はほとんど完成するので、お腹の外から声掛けをすると赤ちゃんは聞こえることがあります。
■妊娠30週(1500g)
脳機能が充実してくるためこの時期に生まれた場合、脳性麻痺などの確率が下がります。横隔膜を上下にし呼吸の練習をしたり、生まれる準備をします。
■妊娠34週目(2000g)
肺機能などが整うことで、自分で呼吸することができます。赤ちゃんは骨と筋肉だけではなく皮下脂肪も増えるため、ふっくらした体つきになります。また、髪の毛や爪も伸びて赤ちゃんらしい体となります。
■妊娠36週目(2500g)
腎臓機能が整うことで、肌はほんのりピンク色をしてきます。自分で体温調整ができるようになるため、妊娠36週目で出産したとしてもNICUへ入院しなくても大丈夫なときが多いです。
切迫早産で入院の目標は早期退院!
切迫早産と診断され、自宅で絶対安静や入院による安静生活はとても長いですよね。このまま一生続くわけではなく、切迫早産で入院したとしても「妊娠37週目」になると退院しなくてはいけません。
この妊娠37週目が目標となりますが、入院中に子宮頸管の長さが安定したり、お腹の張りが落ち着くと退院許可が出ることがあります。
実は退院する前に医師や看護師のサインがあるの知ってましたか?
切迫早産による入院は基本的に24時間、張り止めの点滴がおこなわれます。ずっと管につながれた生活、そしてトイレ以外は立ち上がるの禁止、入浴も禁止となります。
退院が近づくサインは、24時間の点滴からお腹の張り止めの服用薬へ変わる。シャワーの許可が降りる、部屋の中を少し歩いてもいいなどです。
少しずつ普段の生活ができるようになってきたということは、お腹の張りや子宮頸管の長さも安定しているので、退院が近いといえるでしょう。
ただし!シャワーや院内の散歩が許可されても、ムリをしてしまうとお腹の張りや子宮頸管が短く逆戻りしてしまうことがあります。そうなるとまた24時間、点滴を通すことになりかねません。
退院する目標が見えても、状況次第では退院が1週間長引いてしまうってこともよくある話なので、医師や看護師のサインを見つけたとしても、浮かれすぎないようにしたほうが自分のためでもあります。
期待して願いが叶わなかったらストレスを感じてしまいます。ストレスもお腹の張りなどに影響するので気をつけましょう。